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同じヘアケア用品でも、ヘアリキッドやヘアクリームの類は、毛穴から皮膚の上に出ている毛の部分(毛幹)だけのケアを意識している。ところが発毛・育毛剤はそれとはまったく違って、毛穴の中の生きて伸びている部分、とくに毛根部がそのターゲットとなる。そこに確実に染み込ませることが肝心であり、間違った使い方をしているとせっかくの効果も全く違ってきてしまう。
また、使用する時期は、早ければ早い方がイイ。育毛剤は毛母細胞が弱ってしまってから使用したのでは効果は弱い、毛乳頭の活力が残っているうち、具体的にはフケやカユミが目立ち始めた若ハゲの初期に使用し、刺激して活力を与えてやるのが最も効果的である。
「育毛剤なんて、まだまだ・・・」と敬遠せずに、早期発見・早期治療の原則から、育毛剤も早ければ早いほど効果的なのである。さらに大事なことは、育毛剤だけに頼らず、生活環境を整えて、育毛剤のはたらきを応援してあげる事毛髪が喜ぶような生活習慣を慣行してこそ、育毛剤本来の力が発揮されるのである。

発毛・育毛剤を購入しようとすると、殆どの人が「広告やコマーシャルで見た記憶がある」とか「○○が効くって誰かが言ってたな」などと、その場限りの衝動買いをしてしまう。そんな1本を購入して使ってみたものの、一ヶ月経っても、二ヶ月経っても効果なし、髪がぐんぐん生えてくる期待もアワのように消えて意気消沈・・・、そんな経験は無いだろうか?現在、育毛剤を使用している殆どの人が「ただなんとなく」と選択し、その成分、効能、効果に無頓着な人が多いことに驚く。
これでは、ピントや露出を確かめずにカメラのシャッターを押すようなものである。カメラのように自動焦点装置ならぬ、どのハゲにも効果的といった万能の育毛剤は、現時点では残念ながら存在しない。自分の育毛剤にはどういう成分が含まれ、それは何を目的としたものかを正確に把握してから、若ハゲ対策をスタートすべきであろう。

まず自分に合った育毛剤を決めたら、アチコチ目移りすることなく、長期戦覚悟で継続使用してみることが大切である。育毛剤の効き目が出てくるのに、少なくても数週間は必要であり、効果が目に見えてくるのは、早くて4〜6ヶ月後であろう。
ひとつの育毛剤の効果を見極めようとすれば、最低でも3ヶ月は続けるべきである。それだけの期間は、ひたすら忍耐と持続のみと言うことになる。
但し、皮膚科医師として数々の臨床経験から、次のことは名言できるだろう。ひとつは、効能・効果の異なる2種類の育毛剤を選び、適当に切り替えて外用してみるといい。毛根への血行を改善して栄養補給を円滑にさせる育毛剤と、毛根そのものにエネルギーを与える育毛剤とを2〜3ヶ月交替で塗りこんでみるのだ。そうしたら配慮も効果的である。
また、特に体がやせ気味で色白く手足が冷えやすかったり、朝起きるのが辛いという低血圧の人には血行促進を主体とした育毛剤が適当である。反対に赤ら顔で血行も良く脂性のの人や高血圧気味の人には、血行促進を目的とした育毛剤よりも、毛乳頭にエネルギーを与える育毛剤がいい。

私は発毛育毛剤の条件として次の四項目を中心にみるべきだと考えている。
それは、毛髪と密接に関連する皮膚の
1:生理機能の活性化
2:血管作動性の増強
3:酸化還元機能の亢進
4:毛髪代謝の賦活
である。これら1〜4の条件のうち、いくつかを満たした育毛剤について動物実験を行い、育毛効果を確かめて、同時に安全性の試験も行なう。そして次の段階で、人を対象とした脱毛防止や育毛促進を確かめる臨床実験に進むのである。
実際の発毛・育毛剤のはたらき方(作用機序という)としては、「毛母細胞の増殖促進」「毛母細胞や毛包細胞の延命化」「毛乳頭や毛包への血流促進」などが想定されるため、それをどういう方法で測定するかがカギとなる。
〈皮膚生理機能検査による局所賦活効果の検討法〉
体重約2.5kgのウサギの側腹部の毛を剃り調べたい薬を毎日、一定の場所に塗って皮膚の生理機能がどう変動するか調べる方法。具体的には、皮膚酸化還元(細胞分裂の有無、新陳代謝を表す)指数の亢進、皮膚温度の上昇、寒冷負荷皮温復元時間(冷やした皮膚がもとの温度に戻る時間=血流の指標となる)の短縮、毛細血管抵抗の増強、膨疹吸収時間の短縮などを薬が塗られていない皮膚と比較して、薬の効果を検討するのである。
〈局所血管作動性および血流の促進を指標とする検討法〉
ウサギの耳(耳介)の部分を通っている抹消血管が作動する様子は耳介の一部に雲母板などで小さな窓をつくり、その中に新生した血管を見ることで外部から観察あるいは測定することが出来る。そこで試験用の薬が血管に与える影響を調べるのである。
〈毛髪代謝の賦活効果の検討法〉
毛髪にはヘアサイクルがあって、旧式を経て抜け落ちた(自然脱毛)後には、次の毛のために硬タンパク(ケラチン)を合成するため、毛包中では大量のエネルギーが必要となる。このエネルギーの供給を増加させ、毛包部分のエネルギー代謝を良くする事の是非が、育毛効果のポイントとなる。
〈動物を対象とした養毛実験〉
ウサギの体毛はいっせいに生えはじめ、いっせいに休止期に入る、同調型(シンクロナイズ型)のヘアサイクルである。まずウサギの背中の毛を剃って、毛包が休止期である事を確認し、続いて剃った部分に判定したい薬を繰り返し塗り続け、塗っていない部分との比較をするのである。まず育毛剤を塗った皮膚から発毛が始まり、ついで塗っていない部分からの発毛もあるが、この発毛現象の時間差によって育毛効果を評価する。4週間以上発毛までの時間が短縮される促進効果があれば「著効」、2〜4週間であれば「有効」、それ以下であれば無効となる。
〈抜け毛防止と育毛促進による検討法〉
人への実験である。ボランティアを募って、洗髪時に抜ける毛の本数と、その程度を16週間にわたって測定し、その間の育毛速度の判定を医師の観察によって行なう。抜け毛の採取は試験開始の前、中間の時点、終了したときの3回行い、その程度は「正常」「軽度」「中等度」「高度」の4段階で判定される。育毛速度の判定は、4週間ごとに観察日を設けて行い、写真記録を残し、毛質(産毛様の細い軟毛、軟毛、硬毛)と量(なし、少しある、かなり多い、きわめて多い)の改善度を判定する。
〈培養組織を用いた育毛効果の判定方法〉
これまで育毛効果は人や動物を対象に臨床実験を行なってきたが、最近では培養いた毛包細胞による判定も用いられている。これは頭皮から抜いた毛髪の根から毛包細胞を切り離して、培養皿に入れてコラーゲンなどの栄養を与えながら培養する。数週間後、その増えた細胞を使って、育毛剤を与えるなどして、その効果を数量的に測定するのである。この判定法は、2〜4週間という短時間で効果の測定が出来るという利点があり、さらに細胞の増殖が促進されたり寿命が延長したりといった育毛剤の効果が具体的な数値として表現できる。
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